law-shikaku’s diary (法律の勉強)

勉強ノート的な感じです。少しでも分かりやすく書ければと思います。

【刑法】規範的構成要件要素

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規範的構成要件要素

刑法を勉強した事がある人は、名前だけなら誰しも聞き覚えがあると思います。

しかし、イメージしにくいので、パッと意味は?と言われても何の話だったっけという事になりがちですね。

 

この規範的構成要件の具体例として、よく出てくるのが「わいせつ」という文言です。

これは抽象的な概念なので、はっきり線引き出来るものでなく、該当するか否かの最終的な判断は、裁判官がする事になります。

 

では、この規範的構成要件の故意の判断はどうするのでしょうか。

売ったものが、「わいせつ」物に該当すると裁判官に判断されても、故意がなければ犯罪にはなりません。

通説は、故意を認めるためには、当該物が、素人的理解において「いやらしいものである事」を認識している必要があると言います。

「いやらしいものである事」と認識できれば、頒布しては、まずいと思えたはずです。

例えば、もの凄くわいせつな文章を外国語で書かれたTシャツを売っていたとしても、売ってる人が、その外国語を全く理解できずに売っていた場合は、「いらやしいものである事」の認識をしていないので、わいせつ物頒布罪(175条)の故意は、認めらません。

 しかし、ある本を売ったAさんが、いやらしい内容と認識していたが、「わいせつ」物に当たるとまでは思わなかったと言う場合は、犯罪の故意は認められます。

 

よくよく考えれば「わいせつ」物に当たるかどうかは、いやらしい内容と認識するよりも、もっと高度な専門的判断です。そんな高度専門的なものから、故意の有無を判断するのは、おかしいですよね。